ロザンジェラ・レノーRosângela Rennó

1962年ブラジル生まれ。廃棄・放置された写真的材料——旧聞のアーカイブ・アルバム・ネガ・新聞記事——を収集・再配置・再活性化することで、写真が記憶の生産と喪失の場として機能する様を問う。アーカイブの再利用を通じて社会的忘却と制度的暴力の痕跡を可視化した、ラテンアメリカ写真の重要な実践家。

基本情報
生没年 1962–

経歴

1962年生まれ。1980年代後半からアーカイブに基づく写真実践を展開し、《United States / Estados Unidos》(1997)《Bibliotheca》《Wedding Landscape》(1996)《Universal Archive》などの連作・インスタレーションで知られる。*1 Galeria Vermelho(サンパウロ)を通じた発表に加え、*3 国際的なビエンナーレや美術館を通じて広く評価されてきた。

表現解説

レノーの実践の核心は、写真を直接的な捕捉のためではなく「批評的再文脈化」のための作業場(workplace)として扱うことにある。*2 捨てられた写真・ネガ・新聞の切り抜き・古いアルバム——これらの廃棄されたか忘却の危機にある写真的材料を収集し、インスタレーションや写真集として再配置することで、画像が担っていた社会的記憶と制度的暴力の痕跡を可視化する。*1

1980–90年代のラテンアメリカが独裁・行方不明者・記憶の政治という主題に直面していた歴史的文脈において、レノーの実践は写真アーカイブそのものが権力の道具・記憶の抑圧・社会的忘却の場として機能しうることを批評的に示した。*3 アプロプリエーション・アートの文脈に近接しながらも、象徴的なマス・メディア画像ではなく、放棄・消耗・行政的に見過ごされた画像に向かう選択が彼女の実践を区別する。写真のアフターライフ——露光の瞬間ではなく保存・喪失・再活性化という過程——が芸術的探究の核をなすことを示した先駆的な実践として、アーカイブ的写真の歴史において特異な位置を占める。*2

批評と受容

アパーチャーはレノーを英語圏の写真史において過小評価されてきた重要な国際的作家として位置づけ、*4 自身のサイトとGaleria Vermelhoの資料はアーカイブの再活性化・記憶闘争・制度批評としての実践を一貫して強調する。*1 *3 写真の意味が露光の瞬間ではなく保存・流通・再使用のプロセスによって生産されるという問いにおいて、レノーはアーカイブ的写真実践の中核に位置する作家として評価が定着している。

ロザンジェラ・レノー 写真集

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外部リンク

出典