アダム・ブルームバーグ/オリヴァー・チャナリンAdam Broomberg / Oliver Chanarin

アダム・ブルームバーグとオリヴァー・チャナリンは、ドキュメンタリーや制度的イメージ・システムへの批判的実践で知られる南アフリカ/イギリスの写真家デュオ。フォトブック、アーカイブへの介入、インスタレーションを通じ、写真が証拠として機能する仕組みそのものを問い続けた。

基本情報

経歴

アダム・ブルームバーグ(1970年ヨハネスブルグ生まれ)とオリヴァー・チャナリン(1971年ロンドン生まれ)は、20年以上にわたって協働した写真家・アーティストのデュオ。ドキュメンタリーと制度的なイメージ・システムの批判的考察を通じ、現代写真の中心的な存在となった。フォトブック、インスタレーション、アーカイブへの介入、政治的イメージ批評など、幅広い形式で作品を発表してきた。*1

表現解説

主要なテーマは、戦争、アーカイブ、植民地的展示、メディアのイデオロギー、オーサーシップ、ドキュメンタリー的証拠の不安定性である。技法的な特徴として、共同オーサーシップ、既存イメージの流用、書籍や美術館形式への介入、アーカイブとの衝突的な関わり、権威ある単一のドキュメンタリー・イメージを拒否する姿勢が挙げられる。代表作として、『War Primer 2』、『The Day Nobody Died』、『Fig.』がある。これらは、二人が紛争地帯とジャーナリズム的問いから出発し、美術館・民族誌学・写真的分類の政治へと考察を広げた経緯を示している。*1 インタビューによれば、二人はジャーナリズム写真や美術館展示に付与されてきた道徳的権威と、写真が引き継いできたドキュメンタリー的主張への不満から出発したとされる。各プロジェクトは、鑑賞者がイメージに出会う前にすでにフレーミングがいかになされているかを繰り返し問う。コンセプチュアルな政治的写真と関連しつつも、純粋な流用とは異なり、戦争報道・美術館分類・民族誌的展示といった特定の制度に対してイメージを繰り返し検証する点に特徴がある。*2 二人の協働は2000年代から2010年代に重要性を増したが、その論理は1990年代後半以降のルポルタージュ・アーカイブ・グローバルなメディア紛争への懐疑に根ざしており、写真のポスト・ドキュメンタリー的転換期に位置づけられる。*3

批評と受容

ブルームバーグとチャナリンは、写真の真実効果を批判する実践者として一貫して受容されている。『Fig.』をめぐる議論は特に重要で、彼らの批評が戦争やジャーナリズムを超え、美術館言語・民族誌的分類・説明的な美術テキストにまで及ぶことを示している。*2 MoMAの「New Photography 2013」での発表をはじめ、美術館・出版・写真言説を通じてドキュメンタリーと制度的分類への主要な挑戦として流通した。証拠についての懐疑主義を、書籍・アーカイブ・キャプション・インスタレーションという物質的な実践へと転換したことが写真史上の批評的意義である。*1

アダム・ブルームバーグ/オリヴァー・チャナリン 写真集

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外部リンク

出典