アーサー・ロススタイン(Arthur Rothstein)は、アメリカの写真史を考えるうえで重要な写真家です。このページでは、関連作家や主要な作品を手がかりに、写真の座標の中での位置づけを、関連作家・出典とともに読み解きます。
アーサー・ロススタイン(1915–1985)はアメリカの写真家。ロイ・ストライカー率いるFSA写真プロジェクト最初期のメンバーとして、大恐慌期の農村危機を記録した*1*2。
ダスト・ボウル(黒土嵐)地帯での撮影で知られ、なかでもサウスダコタの乾燥地帯で砂塵から逃げる父子を捉えた写真は、FSA記録写真の象徴的イメージとして広く流通した*1。強調的な構図、環境条件への感度、社会的・生態的危機を広範な受け手に向けて可読化する能力が特徴である*2。1936年に牛の頭骨を意図的に配置して撮影したとして演出論争が起きたことは、ドキュメンタリー写真における「真正性」の問題を提起した事例として現在も議論されている*3。後にニュー・ディール期を超えて雑誌写真家・編集者としての幅広いキャリアを展開した。
ICPとスミソニアンはロススタインを1930年代アメリカ社会ドキュメント写真の定義的な担い手として位置づける。彼の画像がどのように公共的説得の回路に組み込まれて機能したかという問いは、後の批評が繰り返し立ち返る論点である*1*2。