エルヴィン・ヴルム(1954年オーストリア生まれ)は、彫刻を主軸としながら写真を不可欠な要素として組み込むアーティスト。《One Minute Sculptures》に代表される一時的な身体的行為を写真で定着・流通させることで、彫刻・パフォーマンス・写真の境界を問い続ける。
1954年オーストリア生まれ。彫刻の拡張された領域を主軸としながら、写真を作品の構想と流通に不可欠な要素として組み込むアーティスト。《One Minute Sculptures》をはじめとするイメージを基盤とした作品群を通じて写真史との接点を持つ。*1
主要なテーマは、身体、不条理、消費文化、社会的圧力、一時性、彫刻・パフォーマンス・写真的イメージの間の不安定性である。日常的な物体と身体を用いた短い彫刻的行為、正面から清潔に記述する写真的ドキュメンテーション、指示的なシナリオ、写真が作品の最も耐久性があり広く流通する表れとなる視覚的な経済性が手法的な特徴である。*1 代表作として、《One Minute Sculptures》、《Fat Car》、身体を用いたセルフポートレートがある。これらは、ヴルムが写真を単なる二次的な記録としてではなく、一時的な彫刻的状況が読み取り可能・伝達可能になるメディアとして使用していることを示している。インタビューによれば、ヴルムの関心は彫刻的な問題にあるが、写真はエフェメラルなジェスチャーと不安定な身体的ポーズを固定する形式が必要なために入ってくるとされる。イメージは不条理な命題を保存しながら、流通・書籍・展覧会に向けて標準化する。*2 写真がインスタレーション・コンセプチュアルな実践・パフォーマンスのドキュメンテーションと不可分になった20世紀末の転換期に登場した作家として、写真がもはや透明な記録にとどまらず作品の論理の一部となる拡張された領域に属する。「写真の歴史が私のドアをノックしてきた」というヴルム自身の言葉が、彫刻と写真の関係の自覚的な扱いを示している。*3