ジェームズ・ケースベアJames Casebere

ジェームズ・ケースベア(1953年生まれ、アメリカ)は、建築的・制度的空間の模型を自ら制作して撮影することで知られる写真家。権力・収監・イデオロギーが空間にいかに埋め込まれているかを、説得力ある写真的フィクションとして問う。

基本情報
生没年 1953–

経歴

1953年アメリカ生まれ。建築的・制度的空間の模型を自ら制作し撮影する写真家として、1980年代以降ステージド写真の中心的存在となった。*1

表現解説

主要なテーマは、制度的権力、建築、収監、家庭性、イデオロギー、および構築された空間に宿る心理的緊張である。卓上または部屋規模の模型を自ら制作し、劇的な照明を与えて撮影する。得られた画像は信頼できる建築と明白な虚構の間で揺れ動き、カメラは既存の空間を記録するのではなく、写真のために発明された空間を完成させる。*1 代表作には、『Asylum』シリーズ、刑務所・施設の内部、後期の『Monticello #3』および浸水した建築をめぐる作品群がある。これらは、模型が権威の一般的な場から歴史的・政治的に帯電した空間へと移行する軌跡を示す。*4 インタビューでケースベアは、写真を「説得・プロパガンダ・歴史構築の手段」として捉えることへの関心を繰り返し語っており、この視点が作品の政治的・イデオロギー的な意味を直接説明する。*2 人物がしばしば不在であり、空間それ自体がイデオロギー的な作用を担う点で、ナラティブ・タブロー写真とは異なり、コンセプチュアルアートおよび建築批評との強い接点を持つ。*3 ポスト・コンセプチュアルな作家たちがステージング・フィクション・シミュレーションを通じて写真を問い直した時代に、制度とその視覚的権威が改めて問われた時期に建築そのものを演劇的主題とした点に歴史的意義がある。*2

批評と受容

インタビューおよびミュージアムの資料は一貫して、ケースベアの写真が錯覚的技巧を超えた社会的・象徴的構造の調査として受容されてきたことを強調する。白黒の模型空間から後期の色彩作品と政治的に帯電した建築的参照への移行においても、実践の中心的方法は変わっていない。写真史における位置づけは、ステージド写真の批評的な再発明という文脈で捉えるときに最も明確になる。*1

ジェームズ・ケースベア 写真集

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外部リンク

出典