J・H・エングストロームJ. H. Engström

J・H・エングストローム(1969年スウェーデン生まれ)は、日記的で感情的に不安定な写真群をフォトブックの形式で発表することで知られる写真家。記憶・親密さ・疎外感を、断片的な配列と生々しいプリントを通じて記録する。

基本情報
生没年 1969–

経歴

1969年スウェーデン生まれ。日記的で感情的に不安定な写真群をフォトブックの形式で発表することで知られる写真家。ヨーロッパにおける20世紀末から21世紀初頭の自伝的写真の中心的な存在であり、ライカ・オスカー・バルナック賞をはじめ国際的な評価を受けている。*1

表現解説

主要なテーマは、記憶、旅、友情、疎外感、親密さ、欲望、都市生活、自伝と写真的フィクションの不安定な関係である。混在するスケールとプリントのクオリティ、断片的なシーケンス、日記的な蓄積、直接フラッシュ、ブレ、反復、仕上がりの整合性を拒む姿勢が手法的な特徴である。作品はしばしば暫定的・生々しく感じられるが、その不安定さ自体が形式の一部をなす。*3 代表作として、『Trying to Dance』、『From Back Home』、『Revoir』などのフォトブックがある。これらは、エングストロームがフォトブックとシーケンスを閉じたナラティブではなく、心理的・実存的な動きを生み出すために使用していることを示している。インタビューによれば、エングストロームにとって写真とは、そうでなければ消えてしまう日々の強度や日常の細部に近づき続けるための方法とされる。断片的な方法が重要なのは、それが不安定な経験を整然としたドキュメンタリー的説明に組織化するのではなく、その経験を鏡のように映し出すからである。*1 クラシックなヒューマニスト・ストリート写真とクールなコンセプチュアリズムの後、自伝的写真とフォトブックが実験の主要な場となった時代に登場した作家として、感情的・実存的な無秩序を現代ドキュメンタリーの中心に据えた点に歴史的意義がある。*2

批評と受容

機関とインタビューの資料は一貫して、エングストロームを社会報告ではなく主観性・動き・実存的状態を通じて捉えている。その歴史的な力は、不安定さと未完成を保持する点にある。フォトブックを断片的な自己構築の場として拡張した写真史の文脈で位置づけるのが最も的確とされる。*1

J・H・エングストローム 写真集

写真集は準備中です。

外部リンク

出典