1974年フィンランド生まれ。熱帯雨林の研究ステーションに赴き、科学者と協働しながら鳥や動物のポートレートを携帯スタジオで制作してきた。自然写真の背後にある分類・観察・ステージングという手続きを可視化することで、「自然を知ること」が文化的・写真的に構築された行為であることを問い続けてきた実践者。
カンニストの実践の核心は、自然写真の背後にある手続き——分類・観察・標本的なディスプレイ——を可視化することにある。自ら述べるように「写真を自然を理解し、組織化し、接近するための道具として考えてきた」という姿勢が、作品を単なる自然の賛美から区別する。*2
《Fieldwork》をはじめとする連作では、フィールドに携帯スタジオを持ち込み、慎重に照明を当てた鳥や小動物のポートレートを制作する。支持具や科学的な小道具を画面に留めることで、イメージが「発見された」のではなく「演出された」ことを明示する。フィンランド写真美術館は、カンニストを「科学者‐アーティスト」として位置づけ、その実践が情報の生産と視覚的な驚きの双方に関与するものとして評価している。*1 TIMEによる《Field Work》の論評が強調するように、カンニストは自然写真の手続きをシームレスな幻想の背後に隠すのではなく、それを露わにすることで観察そのものを文化的な形式として問い直す。*2
生態学的な問題意識が高まった20世紀末から21世紀初頭の文脈において、カンニストは「手つかずの自然を見せる」という自然写真の約束を問い直した。ヘルシンキ・スクールと連動しながらも、崇高な風景の伝統よりも調査装置・研究者との協働・標本的なディスプレイに内在するステージングを前景化する点で独自の位置を占める。