1946年フランス生まれの写真家。ありふれた野鳥とその生息環境を主題に、数ヶ月単位の長期的な待機と観察を経て大判カラー写真を制作する。野生動物写真の慣習から離れ、空間・時間・存在の共在という問いを写真的な構造として探求した。
ミレーヌの実践は、ありふれた野鳥——珍しくも劇的でもない種——を主題として選び、その鳥が特定の生息地に現れるまで数ヶ月単位で待機し続けることを方法論の基盤とする。MACリヨンの資料における「写真は私に検証することを可能にする」という言葉が示すように、*2 写真はトロフィーを集める手段ではなく、場所との関係性を時間をかけて試す道具として位置づけられている。
《A Matter of Place》をはじめとする連作は、鳥・環境・フレームの縁の間に高度に構造化された関係を構築する。大判の画面は行為を停止させ、観察を瞑想的な構造へと変換する。*1 野生動物写真の科学的分類でも劇的な捕捉でもなく、異なる存在が空間をいかに共有するかという問いを写真的な問いとして提示する点に、彼の実践の特異性がある。20世紀末のアート写真において、自然は希少性・行動・征服の対象ではなく、時間・注意・共存の問いとして位置づけられた。*2