1968年パリ生まれ。写真・映像・パフォーマンスを横断し、実際には起こらなかった歴史的場面を捏造してドキュメンタリー的権威を付与する実践で知られる。パフォーマンスを写真という静止した記録へと変換することで、映像が事実性と虚構の境界でいかに機能するかを問い続ける。
カゼムの実践の核心は、パフォーマンスを写真という静止した記録形式へと変換することにある。スペローネ・ウェストウォーターのテキストが直接示すように、彼は虚構と現実の概念を操作し、「実際には起こらなかった歴史的瞬間」を創出する。*1 写真は忠実な記録ではなく、捏造された事象にドキュメンタリー的権威を付与する媒体として機能する。
仮面・鏡像的な空間・演じられた身体を通じて、ライブアクションと写真記録の間の不安定な境界を舞台として示す。*2 1990年代後半から2000年代初頭の、パフォーマンス・インスタレーション・写真が重なり合う時代において、写真が持つ認証機能そのものを主題化した実践として位置づけられる。*3