アマリア・ウルマン(1989年アルゼンチン生まれ)は、2014年にInstagramとFacebookで「Excellences & Perfections」を実施したアルゼンチン=スペインのアーティスト。脚本化された架空の自己像をSNSに投稿し続け、プラットフォームが前提とする真正性・自己ブランディング・女性性の規範そのものを作品の素材とした。
1989年アルゼンチン生まれ、アルゼンチン=スペインのアーティスト。パフォーマンス・写真・インスタレーション・映像・ソーシャルメディア・デジタルイメージ流通を横断する実践を展開する。「Excellences & Perfections」(2014年)はRhizome/ニューミュージアムの「First Look」で紹介・アーカイブされ、テート・モダンの「Performing for the Camera」(2016年)にも参加。映画監督としての作品に「El Planeta」(2021年)がある。*2
主要なテーマは、オンラインでの自己形成、パフォーマンスとしての女性性、階級的上昇志向、消費者趣味、真正性、ソーシャルメディア写真の演出性、そしてプラットフォームが認識可能なアイデンティティを強化する仕組みである。「Excellences & Perfections」は従来の写真連作ではなくSNS投稿の連続として展開された。セルフィー・ホテルやレストランの設定・インテリア・美容イメージ・キャプション・ハッシュタグ・タイミング・オーディエンスの反応を使い、Instagramの日常的な文法の内側に信じさせる架空のペルソナを構築した。*2 Rhizomeはこの作品が脚本化されており、Instagram部分はソーシャルメディア・アーカイブツールで保存されたと指摘する——保存・インターフェース・プラットフォームの文脈が作品の後生の一部となっている。観客の架空への怒りは、人々がいかに強くオンラインの自己提示に真実性を期待しているかを露わにした、というウルマン自身の発言がこの手法の核心を示す。*4 スマートフォン写真とSNSが日常的なアイデンティティ管理の場となっていた2010年代に、プラットフォームの内側からその条件を可視化した点に歴史的意義がある。*2
RhizomeとニューミュージアムはInstagramアーカイブを保存することでネットアートと保存言説の文脈内に初期の制度的な枠組みを与えた。テート・モダンの「Performing for the Camera」(2016年)への参加は、ウルマンの実践をカメラのためのパフォーマンスという長い写真史の中に位置づける。SNS写真における真正性への信念・オーディエンスの参加・自己ブランディングをそのまま作品の素材とした点、そして観客の反応をただの受容ではなくパフォーマンスの運用の一部とした点が批評的な核心をなす。*1