アーティ・ヴィアカント(1986年生まれ)は、写真・彫刻・デジタルファイル・オンライン流通を横断するアメリカのアーティスト。2011年開始の「Image Objects」シリーズで、展覧会ドキュメント画像をアーティスト自身が加工して独立した作品とし、物理的オブジェクトとその複製・流通の境界を問う。
1986年生まれ、アメリカ拠点のアーティスト。2009年にペンシルバニア大学で写真を、2011年にカリフォルニア大学サンディエゴ校でMFAを修了。「Image Objects」シリーズを2011年に開始し、同年のReference Gallery、2012年のHigher Picturesでのニューヨーク初個展などで国際的に紹介されてきた。*1
主要なテーマは、写真的オブジェクトの不安定性、ギャラリー空間とネットワーク流通の間でのイメージの移動、デジタル複製後の作者性、そしてドキュメントが作品としての地位を持つことである。「Image Objects」はデジタルファイルとして始まり、SintraやアルミニウムコンポジットにUVプリントされた機械切断パネルとして製作され、平面的な写真表面が彫刻的な奥行きを持つかのように見える。*2 ヴィアカントはドキュメント画像を中立的な記録としてではなく新たな作品として扱い、公式インスタレーション写真をアーティスト自身がデジタルに加工する。各ドキュメント画像は安定したオブジェクトの二次的コピーではなく独自のヴァージョンとなりうる。「何も固定した状態にない」というヴィアカント自身の言葉は、プロジェクト全体の方法論を端的に示している。*2 展覧会がギャラリーでの物理的体験よりもブログ・SNS・オンラインドキュメントを通じて経験されるようになっていた2010年代初頭の文脈に属し、物理的アートワークとそのオンライン上のイメージの境界崩壊を作品の構造に組み込んだ点に歴史的意義がある。*2
RhizomeのNet Art Anthologyはこのプロジェクトをポストインターネットアートをめぐる議論の形成に貢献した作品として位置づけ、物理的オブジェクトとメディア化されたイメージの間にある彫刻的作品群として提示する。Higher PicturesはニューヨークInitial個展を「新しい視覚芸術の形式の最前線」と紹介した。写真史的には、写真プリントをデジタルファイル・オブジェクト・インスタレーション画像・加工ドキュメント・オンライン派生物という連鎖の中の一状態として再定義した点に意義がある。*1