ルーカス・ブレイロックLucas Blalock

ルーカス・ブレイロック(1978年生まれ)は、消しゴムや靴などの日常物を大判カメラで撮影し、Photoshopの加工痕をあえて残すアメリカの写真家。デジタル操作の「隠蔽」という慣習を逆転させ、加工の労働それ自体を写真の構造として可視化する。MoMA「New Photography 2015」参加。

基本情報
生没年 1978–

経歴

1978年生まれ、アメリカのアーティスト。MoMAの「Ocean of Images: New Photography 2015」に参加し、2019年のホイットニー・ビエンナーレにも選出されている。「xyz」(Ramiken Crucible、2011年)以来、国際的なギャラリーや美術館で発表を続けてきた。*3

表現解説

主要なテーマは、写真の構築性、ソフトウェアを可視的な描画ツールとして使うこと、デジタル文化以降のスティルライフ、ユーモア、ぎこちなさ、そしてイメージの流通と再利用である。消しゴム・布・グラス・イチゴ・靴・バッグなど日常的なオブジェクトを大判カメラで撮影した後にPhotoshopで加工するが、その加工痕をあえて隠さない。部分の複製・重層化・消去・再描写を可視的にぎこちなく行い、イメージが自身のデジタル的な制作過程を開示する。*2 ブレイロックはデジタルツールを写真を完成させるためでなく、加工の労働を可視化するために使う。これはソフトウェアがシームレスなリアリズムへと消えていくべきだという期待への批判的な応答である。スマートフォン・スクリーン・ソフトウェア・オンライン流通、そしてスワイプ・ピンチ・レタッチをめぐる新しい視覚的リテラシーが日常化した2000年代以降の文脈に属し、デジタル操作を隠れた欠陥や制作上の秘密としてではなく明白・喜劇的・批評的な写真的見ることの一部として提示した点に歴史的意義がある。*5

批評と受容

ApertureはブレイロックをMichele AbelesやMargaret Leeとともに、写真の伝統に精通しながらイメージ流通とオブジェクトとイメージの境界崩壊に敏感な作家として位置づける。MoMAの「Inside/Out」テキストは、ブレイロックが意図的に明白またはぎこちない編集を前景化し写真的純粋性の観念に挑戦することを指摘する。写真はオブジェクト・写真・ソフトウェアの痕跡という不安定な関係を生み出し、そのユーモアがより深い批評的論点——すべての写真は構築されており、デジタル時代にその構築性が新たに可視化された——を可能にする。*2

ルーカス・ブレイロック 写真集

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外部リンク

出典