1944年スウェーデン生まれ。クリスター・ストレームホルムに学び、ハンブルクの酒場に集うマージナルな人々を長期撮影した写真集《カフェ・レームリッツ》(1978年)で知られる。親密性・脆弱性・欲望を写真の中心に置いた、ヨーロッパのドキュメンタリー写真の重要な作家。
1944年スウェーデン生まれ。クリスター・ストレームホルムのもとで写真を学んだのち、1967〜70年にかけてハンブルクのレームリッツ通りにある小さな酒場に通い続けた。そこで出会った娼婦・常連客・社会の周縁を生きる人々との関係から生まれた写真集《カフェ・レームリッツ》(1978年)は、ヨーロッパのドキュメンタリー写真史における画期的な一冊となった*1。
ペーターセンの方法の核心は、被写体との物理的・感情的な近接にある。荒い粒子・直接フラッシュ・至近距離からのフレーミングという形式的特徴は、単なるスタイルではなく、撮影者と被写体の間の信頼と長期的な没入を通じてのみ成立する写真の倫理的な姿勢を示す*2。
1854フォトグラフィーのインタビューでペーターセンは「私は表面の向こうにあるものに関心がある」と語り、また「私が撮影するのは見えているものではなく、感じているものだ」とも述べている*2。この言葉は彼の実践の基底にある姿勢——写真は現実の正確な記録ではなく、感情的・関係的な出会いの産物だという確信——を端的に示す。
ペーターセンの仕事は、雑誌フォトジャーナリズムとも古典的なヒューマニズム写真とも一線を画す、個人的な写真集と長期的な社会的関与が新しい代替として浮上してきた戦後ヨーロッパ写真の文脈に属する。ICPのモノグラフ紹介文は彼のキャリア全体を、親密性の方法と思想という観点から枠組みしており*1、この受容の枠組みは《カフェ・レームリッツ》が単なる社会的記録ではなく、ヨーロッパ写真において最も敬愛される写真集のひとつとして受容されてきた理由を説明する。
ICPと1854フォトグラフィーをはじめとする受容は一貫して、ペーターセンを周縁化された生を社会学的標本としてではなく、欲望・脆弱性・相互認識の場として提示した写真家として位置づけている。《カフェ・レームリッツ》の写真集文化への影響は今日も参照点であり続けており、後のヨーロッパ・ドキュメンタリー写真における彼の方法の影響は大きい*2。