エリナ・ブロテルスElina Brotherus

1972年フィンランド・ヘルシンキ生まれ。自画像・風景・コンセプチュアルな映像作品で知られる写真家・映像作家。初期の自伝的な自画像シリーズから、フルクサスのイベントスコアを参照したルールベースの実践へと展開した。自画像を告白から解放し、主体性が写真の中でいかに構築・上演・変容するかを問う実践として評価されている。

基本情報
生没年 1972–

経歴

1972年フィンランド・ヘルシンキ生まれ。自画像・風景・コンセプチュアルな映像作品で知られる写真家・映像作家として国際的に活動する。*1 初期の自伝的な自画像シリーズから、《The New Painting》など美術史的引用を含む作品群、さらにフルクサスのイベントスコアを参照したルールベースの実践へと展開した。*3 美術館・公共アート機関・アーティスト・イン・レジデンスや国際的なグループ展を通じて幅広く発表している。

表現解説

ブロテルスの実践の特徴は、自画像をたんなる自己告白ではなく、主体性が写真の中でいかに構築されるかを検証するための道具として用いることにある。初期の自画像と風景は、内的な経験を静かなカラー写真として外面化するものであり、心理的な自己刻印と形式的な抑制が同居している。*1

《The New Painting》などのプロジェクトで実践はさらに拡張し、フルクサスのイベントスコアやパフォーマンスの指示書を出発点とする作品群へと移行した。この転換は、個人的なナラティブから、行為・映像・美術史との関係を探る、より開かれた実験へと実践を押し広げた。*3 カラー写真と映像の両方を用い、繰り返される自己の身体が、心理的に演出された状況からルールに基づくコンセプチュアルな演習まで、幅広い文脈で参照される。自画像における「自己」は固定されたアイデンティティではなく、写真的条件の変化に応じて可視化・上演・変容するものとして扱われる。*2

批評と受容

機関的な受容はブロテルスを現代自画像写真の主要人物として位置づけることが多いが、のちの展示はコンセプチュアルかつパフォーマティブな実践の拡張も強調している。*1 重要なのは、彼女の実践をたんなる「自画像作家」と還元しないことで、自伝的な出現からルールベースの歴史的に参照された実験への転換こそが写真史上の意義である。自己の身体を絵画的・歴史的・手続き的な問いを探る柔軟な道具として機能させた作家として評価されている。*3

エリナ・ブロテルス 写真集

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外部リンク

出典