ブルーノ・セラロングBruno Serralongue

1968年フランス生まれ。抗議運動・デモ・仮設的な占拠・周縁的な公的集会を大判カメラで撮影するドキュメンタリー写真家。プレス証明書を持たず、メディアの論理の外側から事件に立ち会う。報道写真の「決定的瞬間」ではなく、出来事の待機・持続・余白に焦点を当てることで、政治的映像の生産と流通そのものを問い直す。

基本情報
生没年 1968–

経歴

1968年フランス生まれ。抗議集会・デモ・仮設的な占拠・世界的なイベントの周縁を大判カメラで記録するドキュメンタリー写真家として活動する。国立現代美術センター(Cnap)の支援を受けた調査研究に参加し、*2 ガレリー・エア・ド・パリとフランチェスカ・ピア・ギャラリーを通じて国際的に発表する。*6 サンガット・カレー難民キャンプや2002年ヨハネスブルグ世界サミット、ノートル=ダム=デ=ランドをめぐるプロジェクトを経て評価を確立した。

表現解説

セラロングの実践の核心は、報道記者と並んで大判カメラを据えながら、公式のプレス証明書や招待状を持たずに事件に立ち会うという自発的な制約にある。自身の言葉を借りれば「自前の手段で目的地に赴き、記者証もなく記者たちと並んでビューカメラで写真を撮る」という方法であり、*6 これはメディアへのアクセスを競うのではなく、情報映像がいかに生産され流通するかを問うことを可能にする。

代表的な作例としては、《Federation of World Peace and Love, Sandton, Johannesburg, 26.08.2002》、《Sunday》シリーズ、カレー/サンガット・プロジェクト、ノートル=ダム=デ=ランドをめぐる連作が挙げられる。いずれも、政治的に帯電した状況を視覚的には控えめな形で記録し、単一の象徴的な瞬間ではなく連作によって理解されることを前提として構成されている。*2 大判フォーマット・丁寧な構図・横断幕や周縁的な参加者・仮設構造への注目は、絶頂的な瞬間ではなく出来事の持続する時間性を記録する選択である。

セラロングの仕事は、ドキュメンタリー写真ジャーナリズムの規範的な時代の後に登場し、アーティストたちが政治が映像へと参入する様相を再検討していた時期に展開した。カレー展はAFPの報道写真と元キャンプ居住者の証言をセラロングの作品と並置し、「映像の異なる機能・役割・地位」そのものを展示の論拠とした。*7

批評と受容

Cnapとポンピドゥーセンターはセラロングを政治的状況・ドキュメンタリー手法・公的可視性の問題を通じて継続的にフレームしてきた。*1 批評的な受容においては、彼の実践がジャーナリスティックなメディア論理への対抗として位置づけられる傾向があり、*5 出来事を報道的な即時性から展示・書物の遅い時間へと移行させることで、より市民的な証言の様式を問うものとして評価されている。

ブルーノ・セラロング 写真集

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外部リンク

出典