ラリー・クラークLarry Clark

1943年アメリカ・オクラホマ生まれ。写真家・映画監督。代表作『タルサ』(1971年)は、自らの属するコミュニティを内側から撮影した薬物・暴力・青春のドキュメントとして、フォトブック史の転換点のひとつとなった。目撃者と参加者の境界を崩す自己内包的なドキュメンタリーの先駆者として知られる。

基本情報
生没年 1943–

経歴

1943年アメリカ・オクラホマ生まれ。写真家・映画監督。オクラホマ州タルサで自らの属する仲間たちを撮影した写真集『タルサ』(1971年)で注目を集めた。後に映画監督としても活動し、1995年の映画『キッズ』でも知られる。ホイットニー美術館やICPを通じてアメリカ写真史における重要な存在として機関的評価が確立している*1*2

表現解説

クラークの写真は、青春・依存・男性性・欲望・倦怠・暴力を主題とし、被写体の内側に自らが属しながら撮影する自己内包的なドキュメンタリーを核としている。代表作『タルサ』(1971年)は、クラーク自身の仲間たちをオクラホマで撮影した薬物文化と若者の暮らしの記録であり、フォトブックとしての流通とシーケンシングが受容の中心をなしている*1*2

形式的な特徴として、近距離からの黒白写真・日記的な接近・粗いシーケンシング、そして中立的なドキュメンタリーの距離を拒む内側の立場が挙げられる*1*2。クラークが属するコミュニティを撮影したのは、外部からの観察ではなく関与と参加に依拠した方法によるものであった。その力と倫理的な困難さの両方がそこに起因する*1*2

歴史的文脈として、『タルサ』は1960年代の社会的激動の余波に属し、主観性・告白・サブカルチャーがアメリカのドキュメンタリー写真において中心化していった時代に帰属する*1*2ナン・ゴールディンらの親密なドキュメンタリー実践に近い位置に立つが、『タルサ』はそれらの多くに先行しており、自伝的・越境的なドキュメンタリー写真の重要な先行例として位置づけられる*1*2。クラークの意義は、自己内包的なドキュメンタリーと若者のサブカルチャーを20世紀末写真の中心的な主題へと押し上げた点にある。目撃者と参加者の区別を崩すその方法は、現代ドキュメンタリー写真における定義的な倫理的・形式的問題のひとつであり続けている*1*2

批評と受容

受容は一貫して、『タルサ』をランドマーク的なフォトブックとして認めることと、暴力や搾取との親密さへの懸念の間で分かれてきた*1*2。機関的な受容は現在クラークをアメリカ写真史の鍵として扱うが、作品をめぐる論争はその意味の一部であり続けており、周縁的な問題ではない*1*2

ラリー・クラーク 写真集

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外部リンク

出典