1951年アメリカ・ハートフォード生まれ。精密に制御された照明と半演出による場面構成を通じて、ドキュメンタリーの事実性と映画的フィクションの間に存在する写真を制作した。《Hustlers》をはじめとする連作は、写真のリアリティへの主張を内側から問い直しながら、社会的周縁性と日常的なパフォーマンスを探求した。
ディコルシアの実践の特徴は、観察と構築の間隙で機能する写真を制作することにある。高度に制御された照明、慎重な半演出、大判プリント、映画的だが抑制されたドラマ——これらの形式的要素が組み合わさり、一見カンディッドでありながら演劇的でもある画像が生まれる。*2 観者は写真の真実性を確認することも完全に否定することもできず、その不確かさこそが作品の中心的な力をなす。
《Hustlers》(1990–92)はMoMAとICA Bostonの評価において特に重視される。男性売春を生業とする人物を被写体に、支払われた金額と演技的なポーズが共存する場面は、社会的周縁性・パフォーマンス・金銭的交換を視覚言語として結びつけ、映画とドキュメンタリーの双方に由来する語法を一枚の画像に収めた。*1 《Streetwork》など路上での作品では、隠したフラッシュによってニューヨークの通行人が照らし出されるが、人物は撮影を意識せず、意図的な構成と偶然性が共存する。*2
ポスト戦後の街頭写真とドキュメンタリー的真実への概念的批評が浸透しつつあった時代に、ドキュメンタリーの事実性と構築されたフィクションを対立ではなく緊張として共存させる実践は、以後の写真家に強い影響を与えた。*3