ナタリー・チェコNatalie Czech

ナタリー・チェコ(1976年生まれ、ベルリン拠点)は、雑誌・新聞・商品パッケージなどの印刷物の中に既存の詩を「発見」し、文字をマーキングして写真に撮る「Hidden Poems」シリーズで知られるドイツのコンセプチュアル写真家。カメラを読書の装置として使い、見ることと読むことの重なりを問う。

基本情報
ドイツ
生没年 1976–

経歴

1976年ドイツ・ノイス生まれ、ベルリン拠点のアーティスト。「Hidden Poems」シリーズを2010年頃から開始し、同年アルフリード・クルップ・フォン・ボーレン・ウント・ハルバッハ現代写真賞を受賞。フリーズ・MAMCOほか国際的な機関で発表されてきた。*4

表現解説

主要なテーマは、写真と詩の関係、読むことと見ること、隠されたテキスト、作者性、引用、ファウンド素材、そして印刷されたページの写真的変換である。雑誌記事・新聞・商品パッケージ・アルバムカバー・レビューなどの印刷物の中にロバート・クリーリー、ロルフ・ディーター・ブリンクマン、e.e.カミングス、ジャック・ケルアック、フランク・オハラら既存の詩人の詩を「発見」し、ハイライター・ペン・消去などの介入で個々の文字や単語をマーキングし、そのマーキングされたページを写真として撮影する。*1 写真はページの単なる再現ではなく、言語的な意味・物質的な表面・縮尺・注意が再編成されたフィールドとなる。隠された関係は秘密のメッセージではなく、日常の散文に詩的な構造を見出す異なる読み方の形式であるとチェコ自身は語っている。*2 アーカイブ・複製・テキストとイメージの関係・印刷された文化的記憶を扱うコンセプチュアル写真が増加していた2010年代の文脈に属し、カメラを読書の装置として扱い読むことと見ることの行為を重ね合わせた点に歴史的意義がある。*3

批評と受容

Friezeの2011年レビューはチェコの方法を詩と写真の対等なパートナーシップとして説明し、2013年の特集記事では「隠れた関係は秘密のメッセージではなく普通の散文に詩的な構造を見出す方法」と解説する。MAMCOは彼女の実践をコンクリート詩と流用的写真の合流点として位置づけ、テキストもイメージも何を見せ何を語れるかを問う二つの歴史が交差する場として提示する。*3

ナタリー・チェコ 写真集

写真集は準備中です。

外部リンク

出典