松江泰治Taiji Matsue

松江泰治(1963年東京生まれ)は、地平線と空を排し正面光で影を消し去った「地表面」の写真を撮り続ける日本の写真家。東京大学で地理学を学んだ背景を持ち、写真を景色の窓ではなく地理情報・密度・縮尺の場として扱う。SFMOMAをはじめ国際的な美術館に収蔵されている。

基本情報
日本
生没年 1963–

経歴

1963年東京生まれの日本の写真家。東京大学で地理学を学んだ後に写真家となり、その学的背景が方法論に直接反映されている。主要シリーズに「TRANSIT」「CC」「JP」「LIM」「jp0205」「gazetteer」がある。SFMOMAが複数作品を収蔵し、広島市現代美術館での「gazetteer」展は初の本格的な回顧展となった。*1

表現解説

主要なテーマは、地表面、地理、地図化、都市的テクスチャー、反ピクチャレスク的記述、縮尺、平坦性、そして写真に固有の光学的可能性である。高所または正面からの視点で撮影し、地平線と空を画面から排除し、影をなくすための正面光を使う。結果として得られるのは深度を持たない密度の高い平坦なフィールドで、景色的な奥行きへの抵抗が特徴的である。*5 地平線と空を含まず影を消す正面光——これらのルールが写真の平坦性を作り出し写真の本質を問うものとして機能する、とTokyo Art Beatの「makietaCC」についてのテキストは説明する。地理学的な訓練と地表面への関心が、表現的な風景から離れ体系的な視覚的記述へと向かわせている。写真を景色への窓としてではなく情報のフィールドとして扱い、場の物理的な特異性を保ちながら風景写真が地図・データフィールド・視覚的アーカイブとして機能するようにした点に歴史的意義がある。*3

批評と受容

Artscape Japanは松江の「放浪するカメラ」として、地理学的な関心と写真的記述の系統的な側面を両立させた実践として論じる。Tokyo Art Beatは「makietaCC」について、形式的なルールと写真における平坦性の効果を精確に説明する。作品の中立性は意味の不在ではなく、ドラマ的な視点を拒否し代わりに蓄積された細部・表面・反復を通じて場の構造を開示する方法である。*5

松江泰治 写真集

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外部リンク

出典