ソン・ウー・ベク(1973年韓国生まれ)は、シミュレーション・イデオロギー・表象の政治を主題に、写真そのものを疑わしい媒体として扱う写真家・アーティスト。ミニチュア都市や再構成された観光地を冷静なドキュメンタリー的手法で撮影し、現実がすでにイメージとして建設されていることを露出する。
1973年韓国生まれ。写真・映像・インスタレーションにわたる実践で知られるアーティスト。ポスト冷戦の韓国における都市的スペクタクル、媒介されたナショナリズム、イメージのグローバル流通を背景に、シミュレーション・イデオロギー・表象の政治を主題とした活動を展開してきた。*2
主要なテーマは、シミュレーション、国家性、イデオロギー、南北朝鮮の表象、観光的視線、ドキュメンタリーと捏造の間の不安定さである。冷静で距離を置いた写真的描写、大判カラー写真、連作形式、テーマパーク・再建設された建物・再媒介された公式イメージのような、すでに人工的な環境の繰り返しの使用が特徴的な手法である。*1 代表作は『Real World』シリーズで、韓国の縮尺模型や模擬的なグローバル建築を写真に収めることで、現実がすでにイメージとして建設されている状態を明らかにする。ヒューストン美術館の所蔵記録が指摘するように、観る者は最初その場面を実際の都市として読み取ってから、それが模型であることを認識する。*1 ベク自身は「私の作品は現実と非現実の間に立っているように見える」と語っており、ドキュメンタリー的な外見を意識的に保つことで観る者を不確かさの内側に留め置く設計になっている。*2 ソウル市立美術館の論考が指摘するように、ベクの写真には素朴な意味での「オリジナル」はなく、イメージがすでにいかに媒介されイデオロギー的に荷重されているかについての作品である。*2
美術館・ビエンナーレ・アーティストトークを通じて国際的に流通し、ポスト・ドキュメンタリー写真への韓国からの重要な貢献として位置づけられてきた。批評的に最も有効な軸は、現実そのものの中に演出された現実を発見する点にある。デジタル操作ではなく、シャッターが切られる前の世界にすでに存在する不現実性を写真が登録するという方法で、写真のドキュメンタリー的な主張を問い直している。*3