大石芳野Yoshino Oishi

1948年生まれ。ベトナム・カンボジア・ラオス・沖縄・コソボなど戦争の傷跡が残る地域を長年にわたって記録した日本のドキュメンタリー写真家。写真集《ベトナム 凛と》で第20回木村伊兵衛賞を受賞。戦闘ではなく戦後の生存者の日常を主題とした長期ドキュメンタリーの実践で知られる。

基本情報
日本
生没年 1948–

経歴

1948年生まれ。1970年代から報道写真家として活動を開始し、ベトナム・カンボジア・ラオス・沖縄・コソボなど戦争の傷跡が残る地域を繰り返し訪れてきた。二十年以上にわたるベトナムの記録をまとめた写真集《ベトナム 凛と》で第20回木村伊兵衛賞を受賞した*1

表現解説

大石の写真実践の核心は、戦闘の瞬間ではなく戦争の「その後」に向かう姿勢にある。戦場ではなく生存者の日常——傷を抱えた身体・壊れた家族・継続する記憶——を主題とすることで、彼女の写真は戦争が終わった後も続く暴力の形を記録してきた*2

ベトナム・カンボジア・ラオスの記録は二十年以上にわたる反復的な訪問によって構築されており、単一の滞在による取材とは異なる蓄積をもつ。こうした長期的関与は、戦後の傷が時間とともにどのように変化し、また変化しないかを可視化する手がかりになる*3

《祈りを織る ラオス−不発弾と生きる−》では、ラオスに残された不発弾のなかで日常を送る人々を記録した。この仕事が示すように、大石の写真が問うのは「戦争とは何か」ではなく「戦争は日常にいかに存続するか」という問いである*4

批評と受容

国立新美術館・JPS・JCIIカメラ博物館・富士フイルムフォトサロンなどでの展覧会評価は一貫して、大石を戦争の後景——生存者・家族・地域コミュニティ——を長期にわたって記録した写真家として位置づけている。木村伊兵衛賞受賞は、この長期ドキュメンタリーの実践が日本の写真文化の中で高く評価されてきたことを示す*1

大石芳野 写真集

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外部リンク

出典