1935年ロンドン生まれのフォトジャーナリスト。キプロス、ビアフラ、ベトナム、カンボジア、北アイルランドなど世界各地の紛争地帯を取材し、戦後フォトジャーナリズムを代表する写真家となった。強烈なモノクロと危険への肉薄によるドキュメンタリー、および晩年の風景写真への転換が、その写真史的な位置を形成している。
マクリンの写真は、戦争・貧困・都市の剥奪という主題を、ハイコントラストのモノクロと危険への肉薄によって記録した強烈なドキュメンタリーである*1*2*3。感情的・倫理的な衝突を見る者に直接迫るフレーミングが形式的な特徴をなしており、その方法は写真を「見ること」ではなく「感じること」とする確信に根ざしていた*3。
彼が活動した1950〜1970年代は、雑誌・新聞を通じて戦争写真がグローバルな視覚意識の中心に押し出された時代であり、マクリンの仕事はその成熟期を代表するものとなった*1*2。フィリップ・ジョーンズ・グリフィスらと並ぶ政治的フォトジャーナリズムの系譜に位置するが、マクリンはとりわけ道徳的なトーンが強く、またメディアの共犯性に対する晩年の自己批評的な態度においても際立っている*1*2。
「撮っているものを感じられなければ、他者があなたの写真を見て何かを感じることはできない」(マクリン)*3という言葉に、この姿勢が端的に表れている。キプロス、ビアフラ、ベトナム、カンボジア、北アイルランドでの写真群が代表作として知られ*1*2*3、後年の風景写真への転換は批評的には逃避ではなく、長期的な目撃活動がもたらした内的変容として解釈されている*1*2*3。暴力との持続的な関係が、作品全体の意味を形成し続けているといえる。