ロバート・メイプルソープRobert Mapplethorpe

ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe)は、コンセプチュアルとポートレートを考えるうえで欠かせない写真家です。このページでは、コンセプチュアルとポートレートを手がかりに、写真史の流れの中での位置づけを、関連作家・運動・出典とあわせてたどります。

基本情報
生没年 1946–1989

解説

ロバート・メイプルソープは1946年ニューヨーク・フラッシング生まれ。プラット・インスティテュートで美術を学んだのち、1970年にポラロイドカメラで写真を撮り始め、独学でスタジオ写真へと発展させた。1978年にはX・Y・Zの3部作ポートフォリオを制作した。Xポートフォリオはニューヨークのゲイ・S&Mシーンを被写体とした13点、Yポートフォリオは花の静物、Zポートフォリオは黒人男性のポートレートから構成される*1。アンディ・ウォーホル・パティ・スミス・トルーマン・カポーティ・ルイーズ・ブルジョワ・フィリップ・グラスらのポートレートでも知られ、1988年にはホイットニー美術館で最初の大規模回顧展が開催された。1989年、フィラデルフィアのICA(現代美術センター)を皮切りに始まった巡回展「ザ・パーフェクト・モーメント」をめぐる論争は、メイプルソープを「芸術的自由をめぐる世紀末アメリカの文化戦争の象徴」に押し上げた*2。ワシントンDCのコーコラン・ギャラリーが連邦議会との衝突を恐れ6月12日に開幕キャンセルを発表すると、抗議した芸術家たちはメイプルソープの作品を館外の壁に投影した。ノースカロライナ州のジェシー・ヘルムズ上院議員はNEA(全米芸術基金)が「わいせつ」な芸術に資金提供することを禁じる法案を提出した*3。翌1990年、シンシナティのコンテンポラリー・アーツ・センター(CAC)と館長デニス・バリーが7点の写真に対して4件の刑事起訴を受けた——「美術館館長が展示作品をめぐって刑事訴追を受けた米国初の事例」として注目された裁判は1990年10月5日に無罪評決となった*3。1986年にAIDSの診断を受けたメイプルソープは創作を加速させ、1989年3月9日、42歳で死去した。生前に設立したロバート・メイプルソープ財団は写真芸術の支援とAIDS研究への資金提供を継続している*1。メイプルソープの写真は古典絵画の均衡と形式美の原理を写真に適用したような構図を特徴とし、花・性的な被写体・黒人男性のポートレートをすべて同じ美的秩序で提示することで鑑賞者の倫理的判断を宙吊りにした。パティ・スミスは「彼は美の追求者だった」と述べている*5

ロバート・メイプルソープ 写真集

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外部リンク

出典