リー・フリードランダーLee Friedlander

リー・フリードランダー(Lee Friedlander)は、ストリート写真とアメリカ写真を考えるうえで欠かせない写真家です。このページでは、ストリート写真とアメリカ写真を手がかりに、写真史の流れの中での位置づけを、関連作家・運動・出典とあわせてたどります。

基本情報
生没年 1934–

解説

リー・フリードランダーはワシントン州アバディーン生まれで、1953年からロサンゼルスのアート・センター・スクールで写真を学び、1956年からニューヨークを拠点にエスクァイア・スポーツ・イラストレイテッドなど雑誌の仕事を手がけた。1966年、ネイサン・ライアンズがジョージ・イーストマン・ハウスで企画した展覧会「社会的風景に向けて(Toward a Social Landscape)」にブルース・デイヴィッドソン・ガリー・ウィノグランドらとともに参加した*1。フリードランダー自身が語った「ソーシャルランドスケープ」とは自然の風景の対極——都市・道路・建物・商業空間・自動車という人間が作り上げた環境のことであり、社会改革のための記録ではなく、その環境をそのまま個人的な視点で知ろうとする試みを意味した。1967年のMoMA「ニュー・ドキュメンツ」展(ダイアン・アーバス・ガリー・ウィノグランドとともに)では、キュレーターのジョン・ザルコウスキーが「目的は生活を改革することではなく、それを知ることだ」と評し、フリードランダーをアメリカ写真の新しい世代の代表として決定的に位置づけた*2。彼の特徴的な構成法は、ショーウィンドウのガラス・鏡・窓への反射と透過が重なって空間・光・物体が視覚的な層を形成する点にある。不透明さと透明さが同一画面で共存し、街路標識・電話ボックス・チェーンフェンスといった「ストリート・ファーニチャー」がサブ・フレームとして画面を分割するこの手法を都市の路上に応用することで、アメリカの都市空間が持つ「遮蔽・混乱・偶然」を視覚言語に変換した*3。また窓や鏡への映り込み、あるいは影だけとして自らを画面に組み込む「セルフポートレート」手法は、写真家自身を不可視にすることが常識だった時代へのラディカルな問いかけだった。フリードランダーの画面はウォーカー・エヴァンズとユージン・アジェの明晰さを継承しながら、ポップ・アートの皮肉とユーモアを組み合わせたと評されている*4。2005年にMoMAで大規模な回顧展が開催され、写真・セルフポートレート・ヌード・風景・都市の各シリーズが網羅された。シカゴ美術館・メトロポリタン美術館・国立美術館・ホイットニー美術館など主要機関が作品を収蔵しており、ロバート・フランク以降のアメリカ写真を定義した写真家の一人として位置づけられている*5

リー・フリードランダー 写真集

Self Portrait
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Lee Friedlander: Prayer Pilgrimage for Freedom
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外部リンク

出典