1972年滋賀県生まれ。2001年の写真集デビューから《うたたね》《花火》《Illuminance》《Ametsuchi》など連続する書物形式を通じて、日常の細部・光・生死の瞬間を連ね、小さな知覚が生と時間の巡環を示唆する写真実践を確立した。現代日本写真における写真集文化の重要な担い手のひとり。
川内の実践の特徴は、日常のごく小さな細部——光・虫・食・火・水——を連続する書物形式で提示することで、それぞれの写真が個々の瞬間の記録であると同時に生と死、微小と宇宙の往還を示唆するという点にある。*1 個々の画像は単純に見えるが、リズムと並置によって感情的・哲学的な共鳴が生まれ、これが川内の実践においてブック形式が不可欠な要素である所以である。*2
ミネアポリス美術館のフレーミングは、川内の作品を私的な叙情性としてではなく、生の脆弱さと相互連関についての広い省察として提示した。*1 ありふれた対象が繊細な光の扱いと丁寧な連続構成によって存在の閾にある対象として現れる——この転換がICPをはじめ国際的な機関における受容の核をなす。*3 2000年代初頭、戦後の荒・ブレ・ボケの歴史的文脈とは異なる方向で日本写真が国際的に読まれ始めた時代に、川内はカラー・叙情的連作・日常性という独自の経路を示した。