横田大輔Daisuke Yokota

横田大輔(1983年埼玉生まれ)は、フィルムを反復的に現像・スキャン・再撮影・焼損・折りたたむなど物理的・化学的・デジタルなプロセスを連鎖させ、写真の物質性そのものを主題とする写真家。第45回木村伊兵衛写真賞受賞(2019年)。Foam Paul Huf Award(2016年)受賞。

基本情報
日本
生没年 1983–

経歴

1983年埼玉生まれの日本の写真家。日本写真芸術専門学校卒業。2008年キヤノン写真新世紀優秀賞、2010年第2回1_WALL写真グランプリ受賞。2016年Foam Paul Huf Award受賞、2019年第45回木村伊兵衛写真賞受賞。主要プロジェクト・出版物に「Back Yard」「Site」「Site / Cloud」「VERTIGO」「Tarachine」「Matter」「MATTER / BURN OUT」「Matter / Vomit」「Photographs」がある。*1

表現解説

主要なテーマは、写真の物質性、記憶、時間、劣化、反復、化学的な偶発性、イメージとオブジェクトの境界、そして現代の情報社会におけるイメージの氾濫である。写真を繰り返し撮影・スキャン・プリント・再撮影・傷つけ・現像し・焼き・ワックスをかけ・折りたたみ・再プリントする。手法はお湯現像・未露光フィルムの直接現像・暗室実験・デジタル操作・カメラレス抽象・インスタレーション規模の紙ロール・写真集のシークエンスにわたる。*2 失敗したまたは損傷したフィルムへの関心が「MATTER」へとつながり、コピーと触覚という手づくりの行為への注意がジン制作を通じて培われた——キヤノンのインタビューでの横田自身の説明はこの出発点を示す。メトロポリタン美術館の収蔵作品テキストはその実践をパフォーマンス的でカメラレス的なものとして説明し、マン・レイモホイ=ナジとの連続性を示す。*5 デジタルイメージ流通・ジン文化・写真集フェスティバルが日本人写真家に旧来の雑誌・ギャラリー系統を超えた新たな経路を開いていた2010年代に登場し、イメージが摩擦のないデータとして扱われる時代に写真的オブジェクトの物質的な頑固さを維持した点に歴史的意義がある。*2

批評と受容

FoamはPaul Huf Award選出にあたり「Matter」を、各空間で写真の異なる経験を与える部屋いっぱいのインスタレーションとして評した。批評家の飯沢耕太郎は「MATTER /」のレビューで、横田の作品は軽量なポストデジタル的イメージ操作とは異なり、写真的イメージにおける身体的・物質的な限界への過剰な関心を持つと論じた。反復的な損傷とイメージの再利用は単なる抽象を生み出すのではなく、記憶・時間・写真的証拠が過剰な複製・劣化・再処理を経ても生き残りうるかを問うものとなっている。*4

横田大輔 写真集

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外部リンク

出典