森山大道
東京や日本各地の路上、劇場、歓楽街、広告、雑誌やテレビのイメージを、粗い粒子、ブレ、強いコントラストのスナップでとらえ、1960年代後半以降の日本写真に大きな転換点をつく…
プロヴォークは、1968年に創刊された同名の写真・思想誌を中心に展開した日本の写真運動で、「アレ・ブレ・ボケ」という見た目だけでは捉えきれない。背景にあったのは、言語が現実を十分にとらえられないという不信、安保闘争後の政治的閉塞、高度成長期の都市経験の不安定さだった。写真を鮮明な証拠としてではなく、世界に触れた痕跡として印刷媒体の中で提示した点に、戦後写真史を折り返す力があった。
1968年の雑誌『Provoke』を中心に展開した日本の写真運動。言語が現実を捉えられないという不信と政治的閉塞の中で、アレ・ブレ・ボケの痕跡写真を印刷物として提示した。
プロヴォークが持ち込んだのは、戦後日本のリアリズム規範に対し、記録の不可能性や知覚の断裂を中心主題として持ち込んだことである。写真は現実をそのまま伝えるのではなく、触れたときに生じるずれやノイズを可視化する媒体へ変わった。