マーティン・パー
マーティン・パーは、英国の海辺、家庭、買い物、観光、食べ物を、飽和したカラーと近距離のフラッシュで撮影した写真家である。白黒の社会的ドキュメンタリーを背景にしながら、悲劇…
ニューカラーは、1970年代アメリカで、カラーを広告や観光の派手な飾りではなく、郊外、ロードサイド、家庭用品、看板、舗装路の質感を読むための本格的な美術写真の言語へ押し上げた流れである。ウィリアム・エグルストンとスティーヴン・ショアを中心に、色は世界をきれいに見せる属性ではなく、日常生活そのものの温度と俗っぽさを担う構造へ変わった。
1970年代アメリカで、カラーを派手な飾りではなく日常の温度と俗っぽさを担う批評的言語として押し上げた転換点。
ニューカラーが変えたのは、カラーを「黒白にあとから加わる属性」ではなく、構図や視線と同じくらい本質的な構成要素へ押し上げたことである。日常生活、郊外、消費、家の内外が美術館の写真の中心へ入ってくる。
ニューカラーが登場したころ、美術館の写真部門では依然としてモノクロームが標準と見なされていた。そこでエグルストンやスティーヴン・ショアは、カラーを派手な飾りではなく、日常のものの関係を読むための基礎に据えた。赤い天井、紫の影、スーパーの包装、ロードサイドの看板は、色なしでは見えないアメリカの質感を運ぶ。*1
転換点としてよく言及される1976年のMoMA「William Eggleston's Guide」は、カラーが美術館に入ったこと自体より、何でもない日常の断片を色の強度だけで写真の中心主題にできると示した点で大きな意味を持った。スティーヴン・ショアがロードサイドと郊外の時間を平たい色面の連鎖として見せたのに対し、のちのマーティン・パーはそのカラーを風刺と消費社会批評の側へずらしていく。*5