アルヴィン・ラングドン・コバーン
ピクトリアリズムの叙情的な画面から都市の俯瞰へ、さらに鏡装置を使った抽象写真へと展開したイギリス・アメリカの写真家。1916〜17年の《Vortograph》シリーズは写…
ヴォルテクシズムは、1910年代ロンドンで機械、都市、速度のエネルギーを抽象的な形へ凝縮しようとした前衛運動である。アルヴィン・ラングドン・コバーンのヴォルトグラフが、被写体の再現から離れた初期の抽象写真として語られるからこそ、写真が「何かを写すこと」から「光学的構成をつくること」へ向かう可能性を早く示した点で見逃せない。
機械・都市・速度のエネルギーを抽象形式へ凝縮した短命な前衛運動。量的には小さいが写真史では抽象写真の先触れとして繰り返し参照される。
ヴォルトグラフが示したのは、写真が現実の証拠であるという前提を内部から崩せることである。光学装置を通じた抽象像の生成により、写真が抽象芸術の一部になりうることを示した。