アンドレアス・グルスキー
1955年ライプツィヒ生まれのグルスキーは、写真家の父・祖父のもとで育ち、フォルクヴァング芸術大学でオットー・シュタイネルトに学んだ後、デュッセルドルフ芸術アカデミーでベ…
大判カラー写真は、現代美術の展示空間で壁を覆うような巨大なカラープリントとして現れた1980〜90年代以降の写真形式である。アンドレアス・グルスキー、トーマス・ルフ、ジェフ・ウォールらの実践が代表であるが、その本質はサイズではなく、写真が絵画と対等な展示物として美術市場に参入したことにある。
壁を覆うような巨大なカラープリントとして現代美術の展示空間へ参入した1980〜90年代以降の写真形式。サイズより、写真が絵画と対等な展示物として市場と制度に入ったことが本質。
大判カラー写真が変えたのは、写真を手に持って見るものから観客の身体を取り囲む空間的経験へ変えたことである。絵画と同じスケールで展示されることで、写真は収集・市場・展示制度の中で絵画と競合する存在になった。
批判としては、大判プリントが市場価格と結びつくにつれ写真の「高価な絵画化」が進んだことが挙げられる。デジタル処理の介在がどこまで許容されるのかは、大判カラー写真における「記録の真実性」をめぐる継続的な議論である。*8
それでも大判カラー写真は展示空間での写真の経験を根本から変えた。デュッセルドルフ派、ニューカラー、シネマトグラフィック写真と合わせて読むと、色・スケール・展示制度の三角形が見えてくる。*9
デュッセルドルフ派が展示スケールへの転換を先導し、ニューカラーが色の美術的言語としての地位を固め、シネマトグラフィック写真が映画的時間を静止画に持ち込んだ。大判カラー写真はその三者が交差する現場として読める。*10
1955年ライプツィヒ生まれのグルスキーは、写真家の父・祖父のもとで育ち、フォルクヴァング芸術大学でオットー・シュタイネルトに学んだ後、デュッセルドルフ芸術アカデミーでベ…
ジェフ・ウォールは、ライトボックスによる大型写真、映画的な準備、絵画史や文学の再読を通じて、写真を一瞬の記録から、出来事の見え方を組み立てる媒体へ押し広げた作家。バンクー…